さくらの森動物病院コラム

わんちゃん・ねこちゃんのお役立ち情報を定期的にお届けします

今あらためて考える“ペットの防災”

こんにちは、さくらの森動物病院です🌸

 

 

突然ですが、みなさんは愛犬・愛猫の「防災対策」をしていますか?

 

この十数年で大規模な地震・震災が日本各地で起きています。

時が経つと薄れがちな防災対策。

無事に新年を迎えた今日、改めて「ペットの防災」を見直してみましょう。

 

 


東日本大震災・熊本地震・能登半島地震など、これまでの大きな災害により私たち人と同じように多くのペットたちも被災しました。

避難所での環境、物資不足、医療や移動手段の確保など、もしもの時に“何を備えておくか”がいかに重要であるかという事が改めて浮き彫りになりました。

 

今回は横浜市を中心とした、今日からできる“犬猫の防災準備”をお話します。

 

 

 


1. 地震で何が起こる?過去の震災から見える“ペットの課題”

 

■ 東日本大震災(2011年)で大きな教訓に

  • 飼い主と離れ離れになるケースが多発

  • 首輪や迷子札、マイクロチップの重要性が再確認

  • 長期間の物資不足により、療法食や薬が手に入らない事例が多数

■ 熊本地震(2016年)で明らかになった“避難ストレス”

  • 長期避難で犬猫の体調不良(食欲低下や下痢など)

  • ケージに慣れていないペットがパニックになりやすい

  • 避難所での鳴き声・衛生問題によるトラブル

■ 能登半島地震(2024年)から見えた課題

  • 道路の寸断で動物病院へのアクセスが長期間困難に

  • 余震の恐怖でペットが強いストレス症状

  • 冬の災害で「寒さ対策不足」が顕著

「日頃の備え」+「ペットを安全に移動・同行避難できる準備」の重要!

 

 

 


2. 横浜市で知っておきたい“同行避難”の基本ルール

 

横浜市では、災害時に「ペットとの同行避難」が基本方針として示されています。
ただし、同行避難=同室避難ではありません。


・屋外テント
・ペット専用スペース
・一部別棟
など、状況に応じて分けられる場合がほとんどです。

 

■ 事前に確認すべきこと

  • 近所の指定避難所が「ペット受け入れ可能か」

  • 移動手段(徒歩・キャリー・車)のどれが現実的か

  • 家族間で「避難時の役割分担」を決めておく

災害時は誰しもが混乱してしまいます。
家族全員が同じ情報を共有しておくことが大切です。

 

 


 

3. ペットの“防災バッグ”に入れるべきもの

《必須アイテム》

  • フードと水(最低1週間分)

  • 常用薬・サプリ・療法食

  • ワクチン・健康診断の記録(コピーしてまとめておく)

  • うんち袋、ペットシーツ、猫砂

  • タオル、ブランケット

  • キャリーケース(プラスチック製のハードタイプ)

《あると避難生活が楽になるもの》

  • 折りたたみボウル、紙皿

  • 使い慣れたおもちゃ、匂いのついたタオル

  • ハーネス・リード(予備も)

  • 使い捨てカイロ

  • 冬はアルミシートや毛布
    → 能登地震でも“寒さ対策グッズ”がとても重宝されたそうです

 

 

 


4. 「ケージ・キャリー慣れ」は最も大切な準備の一つ

 

熊本地震後の調査では、「キャリーに慣れていないため避難が困難だった」という声が多数あったようです。

 

■ こんな練習をしておくと安心

  • 普段からキャリーを“安心できる場所”として利用

  • 週に1回程度、短時間でもキャリーへ入る練習

  • 扉を閉めても落ち着ける時間を少しずつ延ばす

    この中は安全だワン♪

避難所生活ではケージ内で過ごす時間が長くなるため、普段の慣れがストレス軽減に直結します。

 

 


5. マイクロチップと迷子札は“命綱”になる

 

東日本大震災では、首輪が普段からついていない、または外れてしまい所有者が不明のまま保護されたペットが多くいたそうです。

横浜市では登録率も高く、マイクロチップを装着している子も増えてきていますが、引っ越し後の登録変更をすぐに届け出ていない、鑑札が装着されていない、迷子札が古いままで読み取れないなどの例も多く見られます。

 

■ 再確認ポイント

  • 各自治体とマイクロチップの登録情報は最新ですか?

  • 首輪・ハーネスはすぐに外れないタイプですか?

  • 迷子札の情報は劣化していたり、滲んだりしていませんか?

 

ペットたちは自分で名乗ることができない分、自治体やマイクロチップの登録情報のみが飼い主さまと繋がるための最も重要なツールとなります。

 

 


6. 多頭飼育・持病があるペットの“特別な備え”

 

■ 持病がある場合

  • 薬のストック(最低1〜2週間)

  • 療法食が手に入りづらい場合の代替案を主治医に相談しておく

  • 治療計画・薬の説明書のコピー

■ 多頭飼育の場合

  • キャリーは頭数分が必須(+予備が1つあると理想的)

  • 誰が見ても見分けがつくように、名前と種類や毛色・模様などそれぞれの特徴をまとめたノートを用意しておくと良い

  • 折り畳み式の大きめなケージもあると便利

 

 


7. 今日からできる“3つの防災アクション”

 

  1. ペット専用の防災バッグを作る
     家族の避難バッグと同じ場所に保管して、中身(フードや薬など)は定期的に入れ替え確認しましょう。
  2. キャリー・ケージに慣らす
    常にリビングや寝床など安心できる場所に置いて慣らしてあげましょう。少しずつでも中に入る練習やお出かけにも利用してみましょう。
  3. 鑑札とマイクロチップ情報を最新に

    災害時に最も重要な「身元証明」になります。

一緒に準備するにゃ

災害はいつ・どこで起こるかわかりません。
”心構えや備えがあるかどうか”でペットの安全は大きく違います。

2026年の始まりに、ご家庭の防災準備を是非もう一度見直してみてください。